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ロノとノノの出会い。

少し大きな街にノノはお母さんとお父さんと3人で仲良く暮らしていました。
朝、目が覚めると、美味しそうな朝ごはんの匂いが漂ってきて、
ノノがリビングに行くとお父さんとお母さんが笑顔で「おはよう」と言ってくれます。
3人で、お母さんが作ってくれた美味しい朝ごはんを食べたら、
お父さんがお仕事に出かけるのでお見送りをします。
お父さんはノノをぎゅっと抱きしめると、いってきますと言ってお仕事に出かけます。
お父さんのお見送りが終わったら、お母さんと一緒に食器を洗ってお片付けをします。
そしてお部屋のお掃除もします。
その後、お母さんはノノに昔話を話してくれながら、
暖炉の前でノノのためにマフラーを編んでくれました。
お昼ご飯を食べたあと、ノノは近所の友達たちと駆けっこをして遊びます。
縄跳びもかくれんぼも。宝探しだってします。
ノノは周りの子供たちより少し小さかったので、
ちょろちょろとすばしっこくネズミのように走り、
どの遊びだって一番でした。
夕方、お空がオレンジ色になると、ノノはお家へ帰ります。
お母さんに今日遊んだことを話していると、お父さんが帰ってきます。
お母さんと一緒に「おかえりなさい」と言うと、
お父さんは「ただいま」と言ってノノをぎゅっと抱きしめました。
それから3人で夕御飯を食べて、今日あったことを報告し合って笑い合い、
一緒にお風呂に入って、一緒のおふとんで眠りにつく。
そして、また朝が来る。
この幸せが、いつまでも続く。そう、ノノは信じていました。

*****

ある日のことでした。
ノノは朝目が覚めて、いつも通りお父さんとお母さんに「おはよう」と言いました。
でもお父さんとお母さんは悲しい顔をしていました。
幼いノノには理解ができませんでしたが、
ノノが住んでいる国は、隣の国と戦争することになったのだとお母さんが言いました。
そして、もともと小さな国で兵力の乏しいこの国は、
一般の男性も、兵士として戦場へ向かうようにと国民に命じたと言うのです。
お父さんも、例外ではありませんでした。

次に日の朝、いつも通りお父さんに「いってらっしゃい」を言うと、
お父さんはノノをぎゅっと、ぎゅっと抱きしめて泣きました。
そして、「いってきます」と言って戦場へ向かいました。
幼いノノには想像もできませんでしたが、それが、お父さんとの最後の会話でした。

*****

朝日の光でもない。夕日でもない。
辺り一面がオレンジ色でした。
お母さんはノノを普段は隠してある地下室へと押し込み、
「ここで、お外から音が聞こえなくなるまでじっとしているんだよ
静かになったら、お母さんが迎えに来るからね。」
と、ノノを抱きしめて泣きながら言いました。
扉が閉められ、真っ暗になった地下室で、
ノノは一人、静かになるのを待ちました。
たくさんの物が燃える音と、たくさんの悲鳴が聞こえました。
でもノノは待ちました。
きっとお母さんが帰ってきて、抱きしめてくれると思いました。
たくさんの足音が聞こえてきました。
荒々しく扉が破られ、物が壊れる音がしました。
そして、お母さんの悲鳴が、聞こえました。

何時間たったことでしょう。
お外が静かになりました。
でも、いくら待っても、お母さんは迎えに来てくれません。
地下室の中は体が溶けそうなほど熱く感じました。
ノノはお母さんに「待っている約束を破ってごめんなさい」と謝って、
地下室から外に出ました。

今までに見たことがないくらい広い空が広がっていました。
それまで視界を遮っていた高い建物も時計塔も、
みんなみんな、燃えてしまったからでした。
辺り一面焼け焦げた炭になっていました。
ノノのお家も、近所の友達のお家も、ノノを可愛がってくれたお花屋さんも、
全部全部、燃えてしまっていたのでした。
燃え残った地下室の扉の近くに、黒い炭の塊が落ちていました。
ノノはよたよたと近寄りました。
炭の塊には、お母さんが大事につけていた、お父さんとの結婚指輪が光っていました。
炭の塊は見渡す限りたくさんありました。
ノノは、一人ぼっちになりました。

*****

ロノは、とりが持ってきた救難の手紙を読むと、すぐに村を出ました。
助けを求めてきたのは、農業が盛んで国民が飢えることのない小さな暖かい国でした。
ロノも首都の街には数回立ち寄ったことがあります。
今は隣の大きな国が、侵略するために戦争を仕掛けてきているのでした。
兵力の少ない小さな国は、一般人も兵士となり、一生懸命に戦いましたが、
大きな侵略国家には敵わなかったのです。

ロノは小さな国に着くと、大きな国の兵士たちを次々と倒してゆきました。
そして、静かになりました。
一面の青空と、焦げた匂いしか残っていないはずでした。
その時、近くで小さな泣き声が聞こえました。
生存者がいる。
ロノは辺りを見回しました。
すると、黒焦げになった遺体にすがりつくように泣く小さな女の子がいました。
慌ててケガはないかと聞くと、
女の子は驚いてさらに大きく泣きました。
ロノは全身傷だらけの血だらけでした。
ロノはどうしたらいいかわかりませんでした。
小さい子供を相手にしたことがなかったからです。
しばらく困った顔をしていると、女の子は泣き止んで言いました。
「あなたはだあれ?」
ロノは自分の名前と、味方だということを伝え、女の子の名前を聞きました。
女の子の名前はノノといいました。
そして女の子、ノノは、どうして自分だけが生きているのか、涙ながらに話し、
何が起こったのか教えて欲しいと言いました。
ロノはノノに、全て話してやりました。
ノノはもはや炭となった遺体たちに、
痛かったろうに、苦しかったろうに、と涙を流しました。
ノノはロノに、お父さんが帰ってくるかも知れないからここで待つと言いました。
ロノは困りました。
兵士となったノノの父親は、きっと亡くなっているでしょうから。
ロノはノノに、一緒に村で暮らそうと言いました。
お父さんが帰ってきたらわかるように、村の地図と伝言を書いた板を残して、
ノノはロノと一緒にちぃかまの村へ行きました。
ちぃかまはノノを心良く受け入れ、ノノのお母さんのお墓を立ててくれました。
そうして、ノノはロノと暮らすことになりました。

*****

戦争から一年ほど時が経ちました。
ノノは活発だった頃とは真逆な、人を恐れる大人しい子供になりました。
そんなノノの元へ、お父さんが帰ってきました。
―――ノノが持つことが出来るほどの小さなツボに入って。
ちぃかまはそのツボをそっと受け取ると、
ノノのお母さんのお墓の隣に埋葬しました。

ノノは涙を流しました。
ロノはどうしていいかわかりませんでした。
するとちぃかまが、抱きしめておやり、と言いました。
ロノはノノをしっかりと抱きしめました。
この日からノノは、ロノを兄さんと呼ぶようになりました。
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No title

ちぃかま族のお話、いいですね

これから、楽しみです(^^)

Re: No title

谷口冴さま!コメントありがとうございます!!

よくあるベタな話になってしまいましたが、褒めていただけて嬉しいですヽ(´▽`)/
これから、たまに、たまーに更新するかもです。頑張りますです。
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ティエタ

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たまにやたらと病みます。
将来の夢は大きなジャンガリアンハムスター。

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